最も気になる、葬儀費用の仕組み

ご葬儀・お葬式を執り行うことに慣れているという人はほとんどいません。できれば来て欲しくないものですが、大切な方とのお別れの時というのはいつかやって来ます。 いざ実際にお葬式やご葬儀の手配や相談をする際、今ひとつ良くわからず不安になるのは、ご葬儀にかかる費用のことだと思います。 葬儀費用の仕組みや内訳は皆様が最も疑問や不安を持たれるポイントです。ここでは費用の仕組みについてわかりやすく解説します。

上図のとおり、ご葬儀・お葬式の費用については、「必ずかかる費用」と「お客様のご要望やご参列される弔問客の人数」によって変動するものに分かれます。 各葬儀社のホームページなどを見ると、上記について可能な限り判りやすく説明するために工夫を凝らしています。ですが、ここで重要なのは、各葬儀会社の「根本的な考え方」です。 この各葬儀社毎の考え方の違いにより、「プランの見え方」や、基本プランと実際のお見積の金額に差がある場合があります。

本サイトでは葬儀費用の仕組みについて詳しく解説を行っていますので、ぜひ参考になさってください。

基本プランって何?

下図の24のアイコンは、「常識的でちゃんとしたご葬儀」を出したいとお考えの方であれば最終的に必要になってくる項目です。 ただ、下図の項目の中には、参列者の数やお葬式を執り行う葬儀式場により、費用が変動してしまう項目が含まれています。

ご葬儀・お葬式の費用はその性格上、

  • 事前に確定できる費用
  • 実際の弔問客数やご利用状況によって変動する費用

があります。

こうした、人数等で変動する要素が含まれる項目を除き、

  • ご逝去後のお迎えのご手配、ご搬送、ご安置
  • お通夜、告別式、火葬
  • お式後のご対応

の中で、予め概算費用を確定できる項目を取りまとめたものを、各葬儀社は「基本プラン」と呼んでいることが多いです。

ただ、この基本プランの考え方は各葬儀会社によって様々で、基本プランを安く見せるために項目を絞り込んだりしているケースもあります。 逆に、お客様目線で、本当に必要と思われる項目を予め基本プランに盛り込み、 プランに対して設定した人数分については、お料理や返礼品の金額まで概算で含んだものを基本プランとしている葬儀会社もあります。

基本プランに必要な項目全てを含めている、価格透明度の高い葬儀社ランキング

良く見かける「家族葬10名様 基本プラン ○○万円」というホームページの表記が他社に比べて 安かったとしても、実際に予めプランに含まれている項目を見比べないと、本当に安いかどうかはわかりません。

プランを比較する際にチェックすべきポイント

各葬儀社のプランを見比べてみても、別々に見ていると何となくどこも同じような感じに見えてきてしまうのではないかと思います。 本サイトでは、葬儀プランを見比べる際に注意すべきポイント、実際にお見積をしてもらう際に、基本プランと実際の見積の金額が大きく開くポイントになってくる項目について詳しく解説しています。

各葬儀社でプランが表記されている場合に、違いが出やすい項目(家族葬10名、一般会葬なしの場合)

ここでは、各社が必ず含めているお棺や遺影、位牌などの項目は省いています。 各葬儀社の考え方や姿勢を判断する上で、下記の項目をプランにどのように反映させているかにより、表示価格と内容に大きな差が出てくるポイント、誤解を生みやすいポイントを取りまとめています。

項目 項目説明
寝台車 ご逝去された場所(病院など)から、ご安置場所までご遺体をご搬送するサービスです。大体10kmから20km程度がプランに含まれています。
ドライアイス ご葬儀が終わるまでの間、ご遺体が傷まないように処置するためのサービスです。基本的には2日分がプランに含まれています。
安置室料 ご事情により、ご自宅でご遺体をご安置できない場合は、公営斎場や各葬儀社が所有する安置施設を利用します。 火葬場が混んでいたり、ご逝去から葬儀までの日にちが開いてしまう場合も利用することがあります。この費用は基本プランには含まれていないことが多いです。
メイク・処置 ご遺体の旅支度を整える際、メイクなどを施してあげるサービスです。基本プランには明記されていないことが多いです。
祭壇・生花装飾 ご葬儀に使用する祭壇や、祭壇を彩る生花装飾についてです。白木の祭壇を使用することが前提のプランやお花の祭壇を前提としているものなど、 様々なケースがあります。実際の施行事例などを見せてもらわないと、。認識がずれやすいポイントです。
式場使用料 公営斎場や寺院会館、葬儀社が持つ自社式場など、ご葬儀を執り行う場所によって費用が大きく変動します。 自社の式場や公営斎場を利用する前提で概算費用をプランに含めているところもありますが、式場使用料を別途にしているケースもあります。
通夜料理 一般的な家族葬を行う場合、プランの設定人数分はお料理代金も含まれているべきですが、多くの場合基本プランからは外れています。
会葬礼状 一般的な家族葬を行う場合、プランの設定人数分は会葬礼状代金も含まれているべきですが、多くの場合基本プランからは外れています。
会葬礼品 一般的な家族葬を行う場合、プランの設定人数分は会葬礼品代金も含まれているべきですが、多くの場合基本プランからは外れています。
霊柩車 ご搬送・ご安置の寝台車との合計距離でプランに入っている場合が多いです。公営斎場で葬儀を行う場合は霊柩車の移動距離はほとんどありません。
火葬料 お住まいの地域によって、若干火葬料は異なりますが、概算費用をプランに含めているところもあります。
精進料理 一般的な家族葬を行う場合、プランの設定人数分はお料理代金も含まれているべきですが、多くの場合基本プランからは外れています。
返礼品 一般的な家族葬を行う場合、プランの設定人数分は返礼品代金も含まれているべきですが、多くの場合基本プランからは外れています。

上記のような項目をプランに含めているかどうかにより、表示されている葬儀プランの価格は大きく変わります。 解説した項目全てをプランに含めている葬儀社と一部しか入れていない葬儀社では、ホームページで表記されている葬儀プランの価格に20万円以上の差がついてしまうこともあります。

ですが、実際に依頼する前提でお見積を依頼すれば、同等の葬儀を行うとした場合、ほとんど変わらない費用になってしまったりします。 事前に概算の費用を調べる際には、ここで解説した項目を良く見比べていただき、各社が提示する葬儀プランの内容についてはじっくり吟味することが大切です。

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「やっぱりちゃんと送ってあげたい」よく選ばれているオプション項目

「最期はやっぱりきれいな姿で、きちんと送ってあげたい」
ご遺族はそうお考えになるものです。こういったご遺族の意向に沿う形で、よく葬儀社の方からお勧めされる項目に「湯灌(ゆかん)」と呼ばれる儀式があります。

この「湯灌(ゆかん)」とは、大切な方のご葬儀(通夜・告別式)を行う前に、ご遺体の身体や髪を洗い清め化粧を施し身支度を整える儀式のことで、 最近では、ラストメイクともいわれます。

日本では、昔からこの「湯灌(ゆかん)」はご家族・親族の手で行われてきました。 この儀式には、「大切な方の現世での疲れ・汚れを心身共に洗い清めるという意味」と、人が生まれた時には産湯に浸かることから「新たに来世へ生まれ変わるためにという願い」が込められています。

大切な方が病院でお亡くなりになると、病院では「エンゼルケア」と呼ばれる身体の洗浄や容姿を整える処置をしてもらえるため、 必ずしも「湯灌(ゆかん)」をしなくてもご遺体はある程度身奇麗な状態に整えていただけます。

ただ、

  • 長期入院で、容態が悪化してからは長い間お風呂に入ることができなかった
  • 病院・施設では、充分に処置をしてくれなかった
  • やっぱり親族やお世話になった方にはきれいな顔で会わせたい
  • 豪華な葬儀はできないが、最期は一番綺麗な姿で見送りたい

など、ご遺族の大切な方への想いから、「できるならしてあげたい」と考えられることが多い儀式でもあります。

「湯灌(ゆかん)」は、ご葬儀を執り行う前の慌しく限られた時間の中で、「ご家族が大切な方との最期の時間の一つ」として非常に満足度の高いオプションであると言えます。

「湯灌(ゆかん)」は必ずしも特別な施設で行うわけではなく、大切な方をご安置した住み慣れたご自宅や、霊安室などでも対応が出来るサービスです。 ご安置場所やご予算など、様々なご事情に合わせて対応してもらえますので、故人様やご遺族の意向に合わせて事前に検討しておくと良いです。

「湯灌(ゆかん)」の流れ

シャワーや浴槽などを用いて大切な方のお体と髪をきれいに洗います。スペースがなく、湯灌設備を設置できない場合はお湯に浸したタオルにて全身をきれいにお拭きし、ドライシャンプーを施してくれます。 ブロー・整髪と合わせて故人様が男性の場合はお顔剃りを行います。愛用の洋服(着物)へお着替え後、生前の表情へ近づける処置とナチュラルメイクを施します。 お顔の色や口紅など、メイクに関する希望も聞いてくれます。ご家族・ご遺族の皆様の記憶に残る大切な方のイメージに可能な限り近づけてくれます。
また、故人様が女性の場合は、女性のスタッフが対応してくれるサービスもあります。

「湯灌(ゆかん)」の費用相場

「湯灌(ゆかん)」は基本的には各葬儀社の葬儀プランには含まれていません。 依頼する場合はプラン部分の費用とは別に必要となりますので、葬儀社の担当者から良く話を聞いた上で、実施するかどうかを検討しておきましょう。
「湯灌(ゆかん)」をオプションとして追加する場合、対応方法によって費用相場が異なります。 お湯に浸したタオルにて全身をきれいにお拭きし、ドライシャンプーを施し、身支度を行う場合、5万円前後が相場です。 シャワーや浴槽などを用いて行う場合は7万~10万円前後となります。

参列人数やご葬儀の日程などによって変動する費用

ご葬儀・お葬式の費用はその性格上、

  • 事前に確定できる費用
  • 実際の弔問客数やご利用状況によって変動する費用

があります。

事前に参列者を確定して執り行う家族葬・密葬の場合は人数の変動というのはほとんどないですが、 大切な方を多くの方でお見送りする一般葬を選択された場合は、特に通夜の弔問客数を把握しづらく、料理や会葬礼状、会葬礼品などを余分に準備せざるを得ない場合もあります。

ただ、このあたりの費用についても、「30名~50名」というような形で概算費用を知ることができますので、葬儀社の担当者と良く相談しておくことが大切です。

この部分であいまいな打ち合わせを行うと、葬儀社側も万一足りない場合、というのを恐れて「多めに発注する」ということをせざるを得なくなるケースもあります。 事前にしっかりと執り行うご葬儀・お葬式の概要を打ち合わせておけば、当日になって変動する費用は飲み物代ぐらいとなりますので安心です。

事前相談を上手に使おう

冷静な判断や打ち合わせが行えるのは、あくまで大切な方が最期の時を迎えられるまでにまだお日にちのゆとりがある間、ご家族やご遺族に心のゆとりがある間だけです。 いざという時まで全く準備を行わず、短時間の間に良く内容を理解できないまま葬儀社に依頼して悔いの残るご葬儀になってしまった、 というようなことにならないためにも、心にゆとりがある今のうちに、信頼できる葬儀社とお葬式の担当者を見つけておきましょう。

各葬儀社は現在ではご葬儀・お葬式の事前相談に非常に力を入れています。 現在は「その人らしいお葬式をする」という価値観が根付きつつあり、故人の生前の趣味や特技など、大切な方が歩んできた人生を振り返りながら最後の時間を過ごせるご葬儀が好まれています。

このような満足度の高いご葬儀を行うには、やはり事前に信頼できる葬儀社と打ち合わせを行い、大切な方の送り方、自分はどう送られたいのか、ということを明確にしておくことが大切なのです。

最も重要なのは、「あなたが、ご家族がどうしたいのか」ということをきちんと汲み取り、ご事情に合わせた最適な提案を行ってくれる葬儀社、担当者に巡り会うことです。
事前相談を有効活用し、大切な方との最後の時間を、深く心に残る思い出と出来るよう準備しましょう。

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